香川県の東端、東かがわ市から始まる新しい旅・観光のカタチ

第3回まちづくり観光塾を開催!

今回のテーマは「まちづくり観光の担い手になる! DMO=Destination Marketing/Management Organization(DMC)へ続く道」です。講師は、まちづくり観光研究所の奥坊一広所長と久保田正義客員研究員の2人。25人が出席しました。

冒頭、奥坊所長は改めて「まちづくり観光」の意味を説きました。「国や地方行政がいう観光まちづくりは、観光を推進することでまちづくりにつなげるというイメージがあります。そうではなくて、地域住民がまちづくりの当事者として地域を誇れる食や文化に気づき行動を起こす。その結果、面白そうなまちだと、他地域から見に来るようになるのが『まちづくり観光』です」。

地域の自然、歴史文化、伝統、食、健康、産業、宿、交通などはすべて暮らしを支える要素であり、同時に観光事業の要素でもあると指摘。事業化して暮らしを支えるためにはボランティアでは長続きせず、地域にお金が落ちる経済活動を生じさせることで「まちづくり観光」が成り立つと伝えました。「地域にお金が落ち、地域に循環することが、まちづくり観光の原資になる」とも強調し、「地域内循環を増やすことが暮らしの豊かさにつながるのです」。

地域内循環を増やす具体案として①家庭レベルでは、外部資本のスーパーマーケットですべてを買わず、例えば野菜だけは地元商店で購入する。外食は全国チェーンのファミリーレストランではなく地元の食堂に行く②商店レベルでは新鮮な地場産野菜や地魚を取りそろえる、宿や飲食店は地元産の食材を仕入れる③地元生産者は美味しい野菜の栽培や地魚を地元に流通させる―といったサイクルを形成することを示しました。

反対事例として奥坊所長は「ある島では、島内で獲れた魚が高く売れるので島外で売っていました。反面、島内では安くておいしい魚が食べることができず、料理の評判を落としていた時期があったんです。結果、観光客からは食への期待感がなくなり、お客さんの数も減少してしまいました」。

加えて「地元の人たちの普段の生活を体験することが観光として重視されています。京都では、京都の人たちが普段買いしている商店街でモノを買う。観光のためにモノを売っているところでは買わなくなっています」。その現象を奥坊所長は「非日常を体験することが観光と言われてきましたが、異なる日常『異日常』が観光の志向になっています」と話しました。

熊本県の山鹿温泉は、地域の歴史や文化にこだわることで多くの人を集めています。山鹿温泉は毎年8月に開催される「山鹿灯籠まつり」が有名です。近年は、住民と行政が一緒になってまちづくりを進め、廃墟だった八千代座の復興や鉄筋コンクリート造りだった外湯「さくら湯」を木造建築に建て替えるなど、地域の歴史文化を根幹に置いた取り組みを行っています。また、酒造メーカーや醤油メーカーの代表者自らがガイドを努める「米米惣門ツアー」を行い、地域住民が中心にかかわることで「まちづくり観光」を推進しています。

奥坊所長は「これまで学ばれたように住民目線と観光客目線を両立させる『まちづくり観光』を推進する組織が必要です」とし、「東かがわ市まちづくり観光塾」がその実践母体としてDMOになる可能性があるとしました。3月19日に行われる「東かがわ市まちづくり観光キックオフ・シンポジウム」、20日の「第1回東かがわツーリズムウォーク」こそ実践する貴重な場であるとし、塾生全員が一丸となって成功につなげようと呼びかけました。

このあと塾生はグループに分かれてワークショップを行い、シンポジウムで発表する「美景・美食50選」の発表者などを決め、シンポジウムで塾生代表が読み上げる「東かがわ市まちづくり観光キックオフ宣言」の原案を考えました。キックオフ・シンポジウムでは、これまでの観光塾の成果をロビーで展示し、ツーリズムウォークでは招へいしたメディアの案内役や参加者へのお接待など、イベント運営を塾生自ら行うことにしています。